インドネシア男子のエース、リオ・ワイダ(和井田理央、19)が東京オリンピック(五輪)への思いを明かした。男子競技を前に女子の応援に回るワイダは「今回は優勝して東京五輪出場を決める」と、アジア最上位での五輪出場権獲得を宣言。「友だちからも『頑張って』と言われる。それに応えたい」と10日にスタート予定の男子個人戦に向けて話した。

日本人の母とインドネシア人の父の間に埼玉県で生まれた。5歳の時にバリ島に移住し「みんながやっていたので」サーフィンを始めた。小さい頃は海が怖くて嫌いだったというが、仲間と波に乗る楽しさにはまり、その後はサーフィン一筋。「毎日、ほとんど海にいます」と話した。

五輪を意識したことはなかった。「インドネシアではあまり話題にならない」からだ。16年に東京五輪でのサーフィン実施が決まって「ユーチューブで見て、五輪ってどんなものかが分かった」と笑う。

インドネシア育ちだが、家での会話は日本語。年に3、4回は大会などで来日し、埼玉に住む祖母の家にも遊びに行くという。17年には世界最高峰のチャンピオンシップツアー(CT)予選シリーズ(QS)でアジア王座も獲得。今年5月にバリ島で行われたCT第3戦にワイルドカードで出場すると、昨季王者のメディーナ(ブラジル)を同組で上回る実績も残した。

今大会、アジア最上位での五輪出場資格獲得を目指す日本勢にとっても、ライバル。日本の宗像チームマネジャーも「いつもは笑顔の理央が今回は五輪を狙って真剣な表情をしている」と気を引き締めた。

「日本代表も考えたけれど、インドネシアには友だちもたくさんいる。みんな応援してくれる。国は関係ない。目標はどこの国を代表するかではなく、五輪のサーフィンに出ることなので」。ワイダは自信たっぷりに言い切った。