米NBAグリズリーズとツーウエー契約を結ぶ渡辺雄太(24)が11日、2季目となるシーズンへ向けて渡米する羽田空港で取材に応じた。5戦全敗と屈辱を味わったワールドカップ(W杯=中国)から前日10日に帰国したばかり。滞在1日での出発を「日本で2、3日休んでも、向こうで時差に苦しむなら、行ってしまって時差を直しながら体も休めようと思った」と説明。同時に、「悔しい思いがありましたが、1日寝て、これ以上マイナスなことを引きずってもしょうがないなと。いまは新たな挑戦が楽しみでしょうがない」と顔を上げた。

挑戦、それは昨季はかなわなかったグリズリーズとの本契約を勝ち取ること。いまはハッスルを主戦場にしながら、一定期間はNBAに昇格できる契約。「勝負の年。必ず本契約を勝ち取って日本に帰ってきたい」と目標は明確だ。

その1つのヒントはW杯から得た。「シュート力、フィジカルの強さは今後やっていかないと」。特にNBAとは異なるルールゆえに体のぶつかり合いの機会が豊富な欧州勢のプレーに感じ入った。「ボールに関係なく、体を当ててきた。日本は当てられたら当てる場面はあったけど、自分たちからいかないと。まねできるかな」と糧にできそう。

前日の空港では全敗の結果から1人のファンもいないと思っていたところ、多くの出迎えに会った。「その声援に応えたかった」と感謝と悔恨を胸に、次回の日本代表合流は東京五輪の直前になる見込み。まずは本契約を勝ち取ることが、代表での自信にもつながるだろう。「普段の生活から悔しさをバネにして生活すれば、世界と戦うことは可能だと思う」。そう自分に言い聞かせ、日本を後にする。