選手の強化体制や運営方針を巡る対立が表面化している全日本テコンドー協会で、総会の議決権を持つ正会員の一部が、金原昇会長を含む全理事を選び直すための臨時総会開催を求める準備を進めていることが9日、分かった。

都道府県協会の代表者などで構成される正会員は現在22人。その5分の1にあたる5人以上が臨時総会招集を求めた場合、会長は応じなければならないと定められている。関係者によると、すでに5人以上の賛同者がいるが、さらなる賛同者を集めたうえで遅くとも来月中には開催を請求することを目指す。

臨時総会では正会員の過半数が出席したうえで、出席者の過半数(委任状含む)が各理事の解任に賛成すれば議決される。議長は金原会長が務める。

8日に行われた定例理事会では、体制の刷新を訴える00年シドニーオリンピック(五輪)銅メダリストの岡本依子副会長、高橋美穂アスリート委員長が理事会の解散を求めたが、審議事項にあたらないと退けられた。その後、高橋氏は会議中に体調を崩して病院に運ばれたが、9日に無事退院。「理事会では刑事告訴をすると言われたり、聞いたことのない話もいろいろ出てきた。今後理事として協会に残るかどうかは全くの白紙」と語った。

また、協会専務理事の安藤尚徳氏が8日付で辞任したことも分かった。金原会長は「とても残念。これからも外部から引き続き協会に協力していただきたい」と話した。