男子400メートル個人メドレーで、瀬戸大也(25=ANA)が100分の3秒差で世界記録を逃した。

日本記録となる3分55秒53でぶっちぎりの優勝を果たしたが、ライアン・ロクテ(米国)の持つ3分55秒50には届かなかった。25メートルプールで争う大会の第1日は、4種目で日本記録が出た。

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思わず天を仰いだ。瀬戸は世界記録まで0秒03差に「めちゃくちゃ悔しい。100分の何秒差とか、初めて。詰めの甘さが出た」。

米高地合宿帰国から中1日。体内時計を日本時間に合わせて米国から移動するなど、時差調整もばっちり。4泳法のラップもほぼ想定通りだったが、3番目の平泳ぎでわずかに遅れた。「最後の自由形はキックを止めないように。(テレビ画面で)世界記録のラインが迫ってくるイメージで泳いだ」。今夏の世界選手権で五輪代表が内定。気が緩まないように、今大会での世界新記録を公言。「冬場のモチベーションをどう保つか考えて発言した」。意識も準備も高いレベルをキープしたが、わずかに届かなかった。

「マジで悔しい。でも『油断するなよ』ということ。東京五輪で100分の何秒差で金を逃すことがないように。またさらに気持ちが引き締まった」。痛恨のレースだったが、持ち前のポジティブ思考で力に変える。【益田一弘】