5季連続のGPファイナル進出を目指す宇野昌磨(21=トヨタ自動車)が、今季GP初戦で79・05点を記録し、4位と出遅れた。首位は世界選手権2連覇中のネーサン・チェン(20=米国)で102・48点となった。

得点発表を待つ「キス・アンド・クライ」に1人で座り、宇野が悔しさを押し殺すようにほほえんだ。6分間練習からミスが目立った冒頭の4回転フリップは、2・36点の加点を導く成功。だが、4回転トーループで転倒すると、練習から失敗の少ないトリプルアクセル(3回転半)でも氷に体を打ち付けた。

今春に山田満知子、樋口美穂子両コーチから巣立ち、メインコーチ不在で戦う男は言った。

「自分が『どんな練習をすれば、もっと跳べるようになるんだろう』っていう素朴な疑問から(練習で)やるしかないと思って。ただ、やっても跳べるようにならない。『なんでできないんだろう』って思っているうちに、全ての思考がマイナスに向いている。自分が今から演技すると思えない、『演技したくない』っていう気持ちが前に出て…。いつの間にかフリップを降りていて。でも、それが自信になることはなく、後半のジャンプを、2つとも失敗してしまいました」

フリーは2日午後1時20分(日本時間同9時20分)に開始。演技後の抽選で7番滑走が決まり「フリーでは(4回転)フリップを失敗してでも(4回転)トーループと(3回転)アクセルを着氷させたい」。この日のミスを繰り返さないことを目標に掲げた。(松本愛香通信員)