リーグ戦4位のトヨタ自動車が8回タイブレークの末、同3位の豊田自動織機に勝利し、17日に行われるビックカメラ高崎との3位決定戦に進出した。

相手先発のエスコベドに7回まで2安打と押さえ込まれていた打線が、無死二塁から始まるタイブレークで一気に爆発。2番アギュラーの適時打で先制すると、続く3番古沢春菜内野手(26)が「打った瞬間行ったと思った」という左翼ポール際の本塁打でダメ押し。その後も連打でエスコベドをマウンドから引きずり降ろし、試合を決めた。

昨年はリーグ戦1位からの優勝だったが、今年は4位という立場から連覇を狙う。主将でチームを引っ張ってきた古沢は「追われる立場から追う立場になった。チーム一丸で練習してきた。下克上での日本一をするためにあと2つ相手をつぶしにいく」と3位決定戦、決勝と2試合を全力で戦う覚悟を見せた。

投げてはモニカ・アボット投手(34)が8回1安打完封と圧巻の投球。何度も対戦している相手のため、試合前からリードする峰と話し合いを重ねて挑んだ。「打者1人1人がどんなプランを持っているかを2人で細かく話した。峰も完璧な配球をしてくれた」と褒めた。

東京五輪で金メダルのライバルとなる米国のエースが、本番と同じ会場で躍動した。「すごく美しい球場。五輪ではファンも増えると思うのでワクワクしている」と話した。他投手が「少し硬い」というマウンドに関しても「気になるほどではない」と意に介さなかった。17日の3位決定戦は日本のエース上野を擁するビックカメラ高崎と対戦する。負けたら終わりの一発勝負。112球を投げたアボットは試合後「疲れてない。大丈夫です」と笑顔で球場を後にした。

この日登板のなかった上野だが、ビックカメラ高崎岩渕監督は「一戦必勝。全員で準備して臨む」と話しており、東京五輪決勝の会場で日米のエース同士の対決が見られるかもしれない。【松熊洋介】