2部優勝の関大が、1年での1部復帰を果たした。1年前の入れ替え戦は摂南大に29-31で敗れ、2部降格が決定。桑原久佳監督は1試合平均97・3得点と圧倒した2部の戦いを振り返りつつ「『俺らは本当に強いんやろうか』と不安だった。白髪が増えた。ホッとした」と喜びを表現した。

信じたのは築き上げたフィットネス(体力)だった。夏の長野・菅平合宿。1周2~3キロのクロスカントリーのコースを、疲れがたまった合宿終盤に1日約10キロ走り込んだ。桑原監督は負荷を「『(部員から)暴動が起きるんちゃうか』っていうぐらい」と表現する。SO小松原柚貴主将(4年=東海大五)は右膝前十字靱帯(じんたい)を損傷し、昨季の入れ替え戦をスタンドで見つめた。今年6月に実戦復帰した小松原は「周りじゃなく、自分に矢印を向けろ!」と苦しい走り込みで仲間を鼓舞した。

この日、前半は大体大に攻め込まれる時間帯が続いた。用意していたゲームプランは、相手の足が止まる後半の猛攻。しつこい防御で前半は17-14と粘った。後半2分、インゴールに蹴り込んだボールをWTB大西俊一郎(1年=関大北陽)が押さえると、つかんだ主導権を離さなかった。前半16分にもインターセプトから、約60メートル独走の先制トライを挙げていた1年生は「そこ(菅平)で走ったことで、後半、体大の足が止まった時に、走ることができた」と胸を張った。

願い続けた1部復帰を果たし、桑原監督は「すごくいい選手が(下級生にも)そろっている。来年、試合をするのが楽しみな人材です」。1年間の努力は、最高の結果が証明してくれた。【松本航】