フィギュアスケート男子で年明けの20年からアイスダンスに転向する高橋大輔(33=関大KFSC)が“東京経由”で22年北京五輪に挑む。25日は大阪・泉佐野市に新設された関空アイスアリーナ(木下グループ)開館式典に出演。出身の岡山県で東京五輪聖火ランナーを務めることも発表され、4度目の五輪へ意欲をにじませた。1月下旬に米国へ渡り、新種目の練習を本格的に開始する。

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激動の2019年を、高橋は笑顔で締めくくった。真新しいリンクに黒の衣装で登場すると、昨季のエキシビション「クローン」をしっとりと演じた。シングル最後の競技会で、12位となった全日本選手権から3日。視線は年明けに転向するアイスダンスへ向いた。

「(20年も)全日本選手権に出られるように。何でもチャレンジして、北京五輪を目指して頑張りたい」

切り替えのタイミングで、一生に1度の大役を担う。この日、故郷岡山県で20年東京五輪の聖火ランナーを務めることが発表され「めちゃくちゃうれしい」と胸を躍らせた。初出場だった06年トリノ五輪では8位入賞を果たし「自分自身に初めて目標を与えてくれた」。2度目の10年バンクーバー五輪は欧米選手以外で男子初となる銅メダルを獲得し「人生を変えてくれた」。右膝故障を抱えて臨んだ14年ソチ五輪は6位だったが「やっぱり五輪に参加できるのは格別」と振り返るなど特別な思いがある。

「33歳にして、もう1度五輪を目指せる。五輪はいろいろな思いがあるので、(過去の五輪を)振り返りながら、(北京を)想像しながら走りたいです」

1月下旬には拠点の米フロリダ州に渡り、18年平昌五輪代表の村元哉中(かな、26)とアイスダンスを基礎から積み上げる。最初の目標を来秋の全日本選手権予選会に定め「新しいスタート。スッキリと次に進める」。東京五輪をステップに、35歳で迎える大舞台へと全力で進む。【松本航】