新潟県女子体操のホープ・平林やぶき(16、ジムナスティック新潟=東京学館新潟1年)が、8日から長岡市内で行っていた16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)代表・宮川紗江(20=高須クリニック)との合同合宿を終えた。合宿最終日は、審判が演技を採点する競技会形式のトレーニングを行った。東京五輪予選を兼ねる4月の全日本個人総合選手権へ向けて刺激と課題を見つけた実りある合宿となった。

長岡市民体育館に、張り詰めた空気が流れた。審判を招いて行った競技会と同じ構成の演技。平林は、最初の段違い平行棒で3度落下したが、その動揺を引きずることなく全4種目をこなした。故障が残る宮川は、負担のかからない演技に終始したものの、隣にいるだけで平林にとっては勉強になった。「ストレッチのやり方や休憩の取り方などがとても参考になりました」と話した。

ジムナスティック新潟の渡辺進弥代表(48)は「この時期に課題が出たのは大きい。4月には笑顔で演技できるようにしたい」と今回の合宿の成果について語った。4日間の合宿中に競技形式のトレーニングを2度採用。審判からは減点のポイントを細かく指摘してもらった。

「平均台の前後開脚のジャンプで足が180度開いていない」。「段違い平行棒の倒立が甘い」といった貴重なアドバイスを受けた。平林は「不十分な技をなくして演技の完成度を高めたい」と全日本へ前を向いた。【涌井幹雄】