身長差41センチに惜しくも敗れた。トップ100で最短身170センチで、世界63位の西岡良仁(24=ミキハウス)が、惜しくも自身2度目のツアー優勝を逃した。最長身211センチで、同54位のオペルカ(米国)に5-7、7-6、2-6で敗れ、大会としては08年錦織圭以来の日本人2度目の優勝はならなかった。

テニスに体格別の階級制はない。だからおもしろい。最も背が低い西岡と、最も背が高いオペルカが、同じコートで対峙(たいじ)すると、西岡の頭がオペルカの胸ぐらいにしかない。西岡は、歴然としたパワーの差を、動き、コース、球種を駆使し、必死に食い下がった。

それでも41センチの差は小さくなかった。最速サーブは時速229キロと189キロで、その差40キロ。27本のサービスエースを打ち込まれ、ことごとくチャンスをつぶされた。痛かったのは、セットオールに追いついた最終セットの第1ゲームで、西岡は自分のサービスゲームをいきなり落とした。そこをキープしていれば、流れは変わったかもしれない。

ただ、この準優勝で、17年3月に記録した58位の自己最高位を更新。24日付の世界ランキングでは48位に浮上し、自身初のトップ50入りを果たした。日本男子のトップ50入りは錦織、杉田祐一、松岡修造、添田豪に次いで史上5人目。6月8日付の世界ランキングで出場権が決まる東京オリンピック(五輪)代表入りに向けても大きく前進した。

東京五輪の男子シングルスの出場枠は1カ国最大4人で、6月8日付の世界ランキングで上位56人が出場権を得る。男子テニスの24日付世界ランキングでは、錦織圭(日清食品)31位、西岡48位、杉田祐一(三菱電機)81位、内山靖崇(北日本物産)は99位となっている。