新潟アルビレックスBB(中地区4位)の無観客試合初戦は黒星だった。琉球ゴールデンキングス(西地区4位)に72-91の完敗。中断期間を挟んで3連敗になった。ホームの歓声がない中、リバウンド数で26対42と大きく下回るなど相手に長所を出させてしまった。

エンジンがかからないまま、反撃の糸口をつかめずに終わった。新潟は15日も琉球と対戦する。

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試合後、鵜沢潤主将(38)がマイクを手にあいさつをした。「残念な結果になりましたが、明日(15日)、リベンジのチャンスがあるので切り替えて戦います」。語りかけた先は、カメラの向こう側、動画配信を見ているファン。いつもなら負けても送られる温かい拍手はない。

無人の観客席と同じように寒い内容で新潟は3連敗を喫した。庄司和広監督(45)が「やらせてはいけない」と警戒していた相手の2次攻撃を、ことごとく許した。42本取られたリバウンドのうち16本がオフェンスリバウンド。今季の課題だったターンオーバーからの失点は18に上った。

「第1クオーター(Q)の終わり方が悪く、それを引きずっていた」。第2Qのタイムアウトで、普段は温厚なPG五十嵐圭(39)が厳しい表情でチームメートにげきを飛ばした。それでも追い詰められた雰囲気を脱することができず、40分を終えた。

新潟のホームは今季、1試合平均入場者数2739人。もともとファンの熱狂的な声援は、もう1つの武器だった。この日はBGMが流れる中、シュートを決めた後の歓声も、相手のフリースローに対するブーイングも、要所で飛び出す「アルビレックス」のコールも聞こえてこない。「やりづらかった。声援の後押しの大きさを感じた」。SG今村佳太(24)は言う。

もっとも、それを言い訳にはできない。プレーの精度、遂行力は琉球が一枚上だった。守備の強度、攻撃の連係を1カ月の中断期間で培ったはずだった。「いつもと違う雰囲気だったが、集中力を高めてコートに入った。次は修正してやるしかない」。五十嵐は険しい表情で雪辱を誓った。【斎藤慎一郎】

○…場内MC担当のフリーアナウンサー立石勇生さん(40)は「選手が違和感を覚えないようにアナウンスをしました」と話した。開始時の選手紹介、試合中の判定、選手交代などは普段通り。「もともと、お客さんをあおって盛り上げるタイプではないので、無観客だからと変えることはなかった」。ただ、「会場入りした時から、がらんとした様子は違和感がありました。やはりお客さんあってのもの」と物足りなさを感じていた。