新型コロナウイルスの影響で中断していたBリーグが、無観客で再開した。東地区3位の千葉はホームで同首位の宇都宮と対戦。両チームの熱い思いがぶつかり、接戦となったが、会場に来られないファンに向け、勝利を届けることはできなかった。

前半40-42で折り返した千葉は、第3クオーターで主導権を握られ、10点差に広げられた。日本代表PG富樫はターンオーバーを7回も記録するなど精細を欠いた。「PGとして多すぎる。中断で試合が空いたのもあったのかも。ただ勝利にはつながらなかったけどマイナスにはならなかった」と前を向いた。

初めての無観客試合。「毎回満員のアリーナだし、違和感もあった。無観客での試合をやって本当に応援してくれるファンあってのスポーツだと。何かを伝えられたらいいと思って」と話した。それでも開催についていろんな意見があったという。海外でのプレー経験もある富樫は、NBAやNCAA(全米体育協会)が中止となる中、開催に戸惑いを感じる外国出身選手と話をした上で「見ている人も多いし、判断は正しいことだと思う。ただいろんなリスクを背負ってやる必要があるかは判断しないといけないかも」と持論を述べた。

4カ月後に控える東京五輪について聞かれた富樫は「選手もそうだが、ファンの安全も含め、考えてもらいたい。もちろん準備しているのでやりたいが、全員が気持ち良くプレーできないと開催できないと思う。世界が落ち着いて早く日常に戻って欲しい」と胸の内を語った。

○…全国にライブ配信された試合は、普段の雰囲気に少しでも近づけようというチームの努力が見られた。客席シートには赤と白の紙が貼られ「コロナニショウリ! GO JETS」の文字が大きく浮かび上がった。「いつも会場に来てくださる方が楽しめるにはどうしたらいいか」とイベントスタッフが発案。いつも通り、試合中は音楽が流れ、チアリーダーのダンスも披露された。