日本スケート連盟は17日、フィギュアスケートのアイスダンス選手として10年バンクーバー五輪、14年ソチ五輪、18年ピョンチャン(平昌五輪)に出場したクリス・リード氏が日本時間15日午前0時20分、米デトロイトで逝去したと発表した。

診断は心臓突然死。30歳だった。

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30歳で急逝したフィギュアスケート・アイスダンス男子のクリス・リードさんは、米国で1989年7月7日に生まれた。父が米国人、母が日本人で故郷はミシガン州のカラマズー市だったが、競技開始は東京の二子玉川で。最初は米国のノービス大会に出場していた。

06-07年シーズンから日本を拠点にスケーティングを磨き、姉キャシーとのペアで07年から全日本選手権4連覇。負傷欠場した11年を挟んで12年から再び3連覇した第一人者だった。オリンピック(五輪)は10年バンクーバー大会17位、14年ソチ大会21位の成績を残した。185センチ、78キロの体格を生かしたダイナミックな演技を売りに、12年の国別対抗戦(団体)では優勝するなど世界の舞台で活躍した。

15年春に引退したキャシーに代わる相棒を求め、日本スケート連盟を通じてトライアウトを実施。村元哉中(かな)とカップルを結成した。このほど亡くなった米デトロイトを拠点に2人で息を合わせ、同年から全日本選手権3連覇。17年の国別対抗戦も制した。18年の4大陸選手権で3位、平昌五輪で15位、世界選手権で11位と、いずれも日本勢の過去最高成績を挙げていた。

平昌後の8月に村元とのカップルを解消。約2年後の昨年12月31日に現役引退を表明した。YouTubeで「氷の上で演技できなくなることが寂しい」との動画を公開した一方で「新たな目標が見えてきた。日本のアイスダンスを世界レベルに持っていきたい」と後進の指導に当たる考えを示していた。それから3カ月弱…。信じられない悲報が日本にも届いた。