国際スケート連盟(ISU)が、フィギュアスケートの今季グランプリ(GP)シリーズ全6大会を開催する方針を固めたことが4日、分かった。関係者によると、3日にオンラインで理事会を開き、ホスト6カ国からの要望を集めた上で協議。実施はする方向で話がまとまった。一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響で各国に渡航制限が掛かっており、通常開催は難しい。大会方式は検討課題として今後、詰めていく。

例年、各国の主要選手はGPシリーズ6戦のうち原則2戦に出場してきたが、今季は流動的となる可能性も出てきた。複数の関係者によると、母国や拠点を置くエリアの大会に出場を制限することも一案として議題に上がっているようだ。

ISUとしては22年北京五輪プレシーズンとして開催したい構え。当初計画では第1戦スケートアメリカ(10月23~25日、ラスベガス)で開幕し、カナダ、中国、フランス、ロシアと毎週開催。第6戦のNHK杯は大阪・東和薬品RACTABドームで11月27~29日に行われることになっている。日本側は開催希望を申し入れており、観客の有無や感染症対策など時勢に応じた様式を模索していく。

全6戦の男女シングル上位6人(ペア、アイスダンスは6組)が進むGPファイナルは12月10~13日、北京で22年五輪のプレ大会として開かれる予定。ただ、こちらもコロナ禍が収まらない場合は年明けに延期される可能性があるという。さらに、シリーズ獲得ポイントを基にファイナリスト6人を絞り込む選考が困難になる懸念もあるため、今季はファイナルに倍の12人が出場し、より公平に王者を争うプランも浮上。従来案も含めて検討しているISUの決断が注目される。

一方、ジュニアのGPシリーズは7月に全戦中止を決めて正式発表している。