B1新潟アルビレックスBBは3、4日の開幕カード、横浜ビー・コルセアーズとアオーレ長岡で対戦する。目標の「日本一」に向けてスタートを切る。2日は中之島体育館で最終調整を行った。新潟一筋15年目のSF池田雄一主将(37)がチームを叱咤(しった)しながら連勝に導く。練習後に緊急の選手ミーティングを行うなど、意思統一を図ってきた。個人通算5000得点まであと32点と迫って始まるシーズン。白星発進を狙う。B1通算1000アシストにあと「1」のPG五十嵐圭(40)も記録達成で弾みをつける。

いつもと変わらないおおらかな雰囲気を漂わせながらも、池田は時折、チームを引き締めた。5対5で行った守備の確認。周囲の集中が途切れそうになると大声を出し続ける。攻撃の位置取りでは迷いの見える若手に率先しアドバイス。新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない中で始まる今季、「バスケができることが当たり前ではない。感謝しないと」。その思いをコートで表現するため、主将としての役割を存分に果たしてきた。

9月30日の練習後、あまりいら立ちを表に出さない池田が珍しく感情をあらわにした。自主練習中のチームメートを「集合!」と強い口調で集めた。その場で選手だけのミーティングを開始。新潟は9月のプレシーズンゲーム7試合で1勝6敗。東地区のライバル、秋田ノーザンハピネッツ、千葉ジェッツにB2の越谷アルファーズに2連敗ずつ。B2バンビシャス奈良には勝ったものの81-73と小差での勝利だった。

その状態でも練習中のミスが続いた。チームルールを守らないプレーも目についた。「開幕直前なのに危機感が薄い。チームのために何ができるか。それぞれが自分の役割を果たすこと」。緊張を欠いた雰囲気に活を入れた。

普段からコミュニケーションに気を配ってきた。練習後は自ら若手の輪に入って話す。ベテランの五十嵐、佐藤公威(36)と若手のクッションにもなる。「言うべき時に言ってくれる」と福田将吾監督(36)は安心して統率を任せてきた。

横浜戦。「まず自分たちのバスケをやること」と、福田監督のもとで培ってきた走るバスケを貫く。シューターとしては大台が目前だ。bjリーグ時代からの通算得点は4968点で、5000得点(過去33人)まで背番号と同じ「32」に迫って開幕する。「打てる時は積極的に打つ」。コート内外で存在感を発揮する主将の下、連勝発進の土台はできた。【斎藤慎一郎】