16年世界ジュニア選手権を制した本田真凜(19=JAL)が強行出場した。先月末に右肩を脱臼し、この日の練習で久しぶりにジャンプを跳んだばかり。演技直前の6分間練習のジャンプでバランスを崩した際に右肩を気にするしぐさがあるなかで演技に臨み、動きに精彩を欠いて47・29点の9位とした。

「スケートをやってきた中でも一番不安な中、出ると決めたからにはやれることやりたいと思ってた」。冒頭の3回転ループは2回転になり、連続にできず。続くジャンプも3回転-2回転のトーループに難易度を落とした。最後のダブルアクセル(2回転半)も1回転半になった。ステップやスピンなどでも従来の機敏さはなく、「途中で、やめてしまいそうになる時が何回かあった。『だめ』と言い聞かせて滑った」と振り返った。

先月末の練習でジャンプを跳んだ時に右肩を脱臼した。自分で入れ直したが、翌日の練習でもう一度外れた。自分で入れることができず、病院ではめたが「ガリッとなった」と影響がでた。3日のジャパンオープンは欠場を余儀なくされ、前日8日までジャンプ練習はできなかった。出場が決まっている11月のNHK杯まで休む考えもあったが、妹の紗来が試合で頑張る姿を見て、今大会の出場を決めたという。

SPは昨季のエキシビションで使用したシェイ=リーン・ボーン氏の振り付けによる「I'm an Albatraoz」を転用した。自ら考えた動きもベースにしているが、「もともとすごく運動量の多いプログラム。いまの自分にはきつかった。普通にずっとうまく練習できている時でも体力で不安ある、きついプログラム」。それでも、鳥をイメージした全身を覆う衣装で、体力、気力をふりしぼり最後まで滑りきった。

明日10日のフリー進出は決めたが、「明日はジャンプは2回転でいきます」と無理はできない。上位18人が進める東日本選手権(11月、山梨)、その先には年末の全日本選手権(ナ長野)が待つ。「今日の演技はとりあえず通れて良かった。明日は他の部分で完璧にレベル4を目指して、ジャンプがない中で高い点数を目指して頑張りたい」と決意した。