五輪男子2連覇の羽生結弦(ANA)が育った仙台FSCに所属する、中3の千葉百音(もね、15)が今季初戦で首位発進した。55・29点を記録。2位に48・61点で瀬川穂乃(仙台FSC)、3位に44・86点で柚木心結(帯広FSC)がつけた。

千葉は冒頭のフリップ-トーループの連続3回転で出来栄え点(GOE)が減点となったが、何とか着氷。3回転ルッツ、ダブルアクセル(2回転半)につなげた。持ち味のスピンは3つ全て最高のレベル4。無観客開催ながら華麗なスピンで魅了し、演技後は笑顔を見せて「シーズンの初戦で緊張したけれど、大崩れすることなく、演技を終えられて良かったです」と振り返った。

昨季は2月のチャレンジ・カップ(オランダ)でジュニア女子初優勝。国際大会で結果を残したが、今春は新型コロナウイルスの影響で6月ごろまでリンクを使用できなかったという。現在の状態を「去年を100(%)とすると90(%)ぐらい」と自己評価しつつ「他の選手に比べていい環境で滑らせてもらった」と感謝の思いを口にした。

今季の新SPは「ツー・ステップス・フロム・ヘル」。映画「オデッセイ」に用いられている音楽で、作品は火星に置き去りにされた宇宙飛行士の物語だ。千葉は冷静な口調で「何も生きる希望がない中で、望みをかけて地球に死ぬ気で生還する力強さを表現できたらと思います」と誓った。

フリーは11日に行われる。将来が期待される15歳は「もっと仕上げていって、これからある地方大会とかでも全力を出し切りたい」と今季の目標を掲げた。