審判も試合勘が戻らず!? 米村克麻(24=センコー)と小西誠志郎(21=国士舘大)との決勝で、審判らのミスが重なる混乱が生じた。1分40秒過ぎ。「技あり」を奪われてリードされていた小西が米村を抑え込んだ。けさ固めは決まっており、そのまま20秒経過(=一本)して逆転勝利かと思いきや、10秒経過(=技あり)すると突然ブザーが鳴った。会場にいた関係者や報道陣らもあぜんとしていた。

なぜか、電光掲示板には「技あり」を奪っていた米村が、小西を抑え込んでいたことになっており、10秒経過時点で「合わせ技一本」としてブザーが鳴った。その後、小西側が猛抗議して試合は中断。審判らがビデオ映像を何度も見返しながら協議し、米村の「合わせ技一本」は取り消された。しかし、小西には「技あり」ポイントが入らず、その“問題の場面”から試合を再開。結局、時間切れで米村の優勝が決まった。小西のコーチ席についていた国士舘大の吉永慎也監督は「めちゃくちゃじゃないですか! しっかり、普通にやりましょうよ」と声を上げた。

優勝した米村は試合後、「結果的に優勝できたことはうれしいが、気まずい。小西選手とは仲も良いので、何て話してよいか分からない…」と複雑な表情を浮かべた。男子代表の井上康生監督も「強化としても今後こういったことがないようにしっかり検証して、課題に取り組んでいきたい」と話した。

今大会は新型コロナウイルス感染拡大後、初めての全国大会で無観客で開催された。コロナ禍の影響で試合勘が戻らない選手もいたが、主審やブザー係らもミスが続き、審判も試合勘が戻らなかったのかもしれない。