日本選手権のデュエットで初めて男女ペアが出場した。FRで佐藤友花(ともか、19)佐藤陽太郎(16=ともにジョイフルAC)のきょうだいが、79・0667点で15組中9位に入った。陽太郎は中1の17年に男子で初めて同選手権に出場。4年連続となった今年は、日本代表の補欠選手となった姉と初めてペアを結成。世界選手権混合デュエットでのきょうだいメダルへ、第1歩を踏み出した。

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陽太郎は、きびきびと歩いて、姉を先導した。頭髪を固めるゼラチンいらずの短髪で、逆三角形の上半身は裸。だが水に入れば、違和感ゼロ。リフトの土台で姉を持ち上げ、きれいにそろえた足をスッと伸ばす。明るい曲調の演技を終えると、スタンド席の井村ヘッドコーチも拍手を送った。

第96回の同選手権で男女ペアの出場は初めて。同選手権は、国際大会にある混合デュエットがない分、16年から男子に門戸を開放。佐藤きょうだいは、女子ペアと同じ土俵で戦って、9位と健闘。それでも陽太郎は「楽しく泳げるように勢いよくいけたらと思った。リフトの高さが100%じゃなかった」と反省した。

16歳は、技術も身長も伸び盛りだ。中1の初出場時は身長157センチ、体重47キロの愛くるしいぽっちゃり体形。中2で同163センチ、同45キロ、中3で同173センチ、同55キロと成長。今年は茨城・常総学院高1年となって同178センチ、同60キロだ。すらりと伸びた長い手足は、将来の高い表現力を予感させる。

昨年9月には世界ユース選手権混合デュエットで銅メダルを獲得。「外国人選手の足の長さ、勢いを目の前で感じてすごく自分のためになった」。世界の舞台で戦う楽しさも味わった。

姉の友花とは今春にペア結成。姉が「すごく仲がいいのでとてもやりやすい。何でも言い合える。照れくささはないです」と言えば、弟も「車の送迎でも、家の中でも確認ができる」。目標は世界選手権混合デュエットのメダル。また国際水連は同種目のオリンピック(五輪)種目採用も希望している。陽太郎は「AS、楽しいです」と笑顔だった。【益田一弘】

◆佐藤陽太郎(さとう・ようたろう)2004年(平16)8月10日、茨城県つくば市生まれ。姉友花の存在もあって5歳で競技を始める。中1の17年4月、フリーコンビネーションで日本選手権初出場。昨年9月に世界ユース選手権混合デュエット銅。今春から常総学院高に進学。家族は両親、姉。好きな食べ物はたこ焼き。178センチ、60キロ。

 

○…姉の友花は、8月から補欠選手として日本代表合宿に参加する実力者だ。「クラブで経験できない練習の質の高さを実感しました」。そんな姉に、弟は「すごいなと思う。だけど、代表の練習内容を聞くことがないので(姉が代表レベルの)実感はないです」。友花は筑波大1年で身長168センチ。弟について「身長が伸びてきて、私よりも目線が上になった。年頃的にもすごく生意気な弟になりました」と笑っていた。