第100回全国高校ラグビー大会(大阪・花園ラグビー場)が27日に開幕する。記念大会となる今大会は例年より12校多い63校が出場し、新型コロナウイルスの影響で無観客開催で行われる。

26大会連続28回目の出場となる千葉・流通経大柏は、並々ならぬ思いで今大会に入った。9月に36歳で急逝したOBで元日本代表湯原祐希さんを追悼する喪章を腕に巻き、28日の初戦(宮崎・高鍋)に臨む。

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先輩湯原さんの思いを胸に、流通経大柏が悲願の頂点を目指す。県予選を圧倒的な強さで勝ち抜き26大会連続出場権を獲得したフィフティーンには、この大会に懸ける強い意気込みがみなぎっている。ダブルキャプテンの1人でフッカーの当真蓮(3年)は「偉大な先輩である湯原さんのためにも、しっかり気持ちを込めて戦いたい」と気合十分だ。

湯原さんは流通経大卒業後、06年に東芝入団。15年ワールドカップ(W杯)では出場機会はなかったが、1次リーグで3勝を挙げたチームを支えた。今年現役引退して、FWコーチに就任。9月に東京・府中市のクラブハウス内で自主トレーニング中に倒れ、救急搬送されたが病院で息を引き取った。

生前親交のあった相亮太監督が湯原さんの訃報をチームに伝え、喪章を着けることを提案した。選手たちも受け入れ、県予選から黒いテープを腕に巻き付けてプレーしている。当真とともにダブルキャプテンをするFBの浅見亮太郎(3年)は「15年のW杯では試合で出てない中でも、チームをどうサポートしたか教えてくれた」。チーム一丸で戦うことを説いた先輩の教えをかみしめながら、花園の舞台で躍動することを誓った。【平山連】