将来の日本代表を担うであろう逸材が、15歳以下の初代チャンピオンを決める大会で輝いた。女子決勝は四日市メリノール学院中(三重)が延長の末に京都精華学園中(京都)を60-56を下して優勝した。192センチの大型センター福王伶奈(3年)や主将の東紅花(ひがし・いろは=3年)を中心に粘り強く戦い、劣勢からの逆転勝ちを決めた。男子決勝は城南中(秋田)がNLG INFINITY(群馬)に91-70で快勝し、頂点に立った。

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延長にもつれ込んだ熱戦の終了を告げるブザーが鳴り響くと、192センチの中学生福王は、身長差26センチのチームメート永福(2年)と抱き合って優勝を喜んだ。初代女王の座に就き、「ここまで支えてくれた仲間や先生のおかげ」。喜びの涙がこぼれた。

1日2試合をこなした前日に続き、最終日も準決勝と決勝を行うハードスケジュール。それでも若さではつらつと乗り切った。サザンギャルズ1031(栃木)を73-36と圧倒した午前の準決勝で、福王は30得点、18リバウンドの大活躍を見せた。

その試合終了から約2時間後の午後1時すぎに始まった京都精華中との決勝では、187センチのディマロ・ジェシカとマッチアップ。相手のレベルが格段に上がったことで、決勝のスタッツは8得点、12リバウンドにとどまったが、抜群の身体能力を誇るジェシカに堂々と渡り合った。

恵まれた体格は中国出身の両親譲りで、父が身長190センチ、母は身長186センチという。日本国籍を持つ福王は、高校生に混じってすでにU16日本代表候補に選出された大器。稲垣愛監督は「性格はとても真面目で、高さがあるだけでなく、先頭でどんどん走ってくれる姿勢も素晴らしい」と評価。さらには、「日本の宝。将来のオリンピアンになれる選手だと思っているし、それに向けてやってきた」と期待を掛ける

中学卒業後は名門・桜花学園高(愛知)へと進学予定。この1年での成長について福王は「オフェンスよりもディフェンスで成長できたと思う」と自己評価。中学最後の試合を終え、「ドライブや3点シュートをもっと練習し、中も外も出来る選手を目指す。高校でも全国優勝の力になりたい」。さらなる成長を誓った。【奥岡幹浩】