渡辺倫果(青森山田3年)は53・05点だった。

冒頭のルッツは回転が抜けてしまったが、切り替えてダブルアクセル(2回転半)と3回転ループ-3回転トーループは成功。24日の決勝(フリー)進出は確実としつつ「ルッツで失敗してしまって、それでも50点台の後半は出るかなあと思ったんですが、低かった。しっかり見直して、明日のフリーで挽回したい」と意気込んだ。

昨年末の全日本選手権ではフリーに進めない悔しさを味わった。「前日練習では調子が良かったのでショックが大きかったけど、学べたものは多かった。それを来季へ生かせれば」と決意を新たにした。

中学3年の時からカナダを拠点にしているが、新型コロナウイルスの影響で長期帰国を余儀なくされている。同国の国境が閉鎖されている間は、京都の木下アカデミーで練習している。「本当は今月27日に国境閉鎖が解除されるはずだったんですが、2月21日まで延びてしまって…」と、さらに出国は遠のくが、木下アカデミーでは「ノービスでもトリプルアクセル(3回転半)や4回転ジャンプを跳ぶ選手もいて、高いモチベーションを維持できている」と、当面は国内でスケーティング技術を磨く。

卒業後は「だいたい決まっています」と言い、大学の通信制に通う予定であることを明かした。通信で学びつつ、時期を見て再びカナダへ渡るつもり。その前に、まずは最後のインターハイのフリーへ「上位を目指せるように、強い精神で挑んでいきたい」と力強い口調で語った。【木下淳】