開志国際が4年連続の男女アベック優勝を決めた。V4を決めた男子は帝京長岡に65-64の1点差で競り勝った。60-62で迎えた第4クオーター(Q)残り2分、SG内田貴斗(2年)が3点シュートを決めるなど連続5得点。昨年12月のウインター杯(東京)3回戦で悔しい棄権を強いられたチームは、県大会で健在ぶりを見せた。

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最終盤までもつれ込んだゲームを救ったのは、昨年度からスタメンを張るSG内田だった。リードを保つ展開は最終Qで崩れ、シーソーゲームになった。終了2分前のスコアは60-62。緊張を強いられる場面で全国の大舞台を知る内田が精度のいいシュートを連発した。左サイドの角度のないポジションから3点シュートを決め、ジャンプシュートで2点を追加。「本当に、ここで決めないと負ける」。重圧をはね返し決めた連続シュートで65-62。内田自身はチーム最多の23得点を積み上げ、リードを守りきった。

新チームの始動は3日。「(初日に)みんな気持ちが入っていなかった」と内田は振り返る。というのも、12月のウインター杯で想定外の3回戦棄権敗退。日本バスケット協会から出場辞退の指示を受け、涙をのんだ。1回戦で対戦し大勝した専大付(東京)の関係者から新型コロナウイルス感染症の陽性反応者が出たためだった。濃厚接触者に当たる専大付選手とゲームを繰り広げた開志国際の選手も、今後の可能性を考慮されて悔しい棄権。富樫英樹監督(58)は「正月はテレビで箱根駅伝、高校サッカーなどの競技を見ていて『いいなぁ』と思った。僕は踏ん切りがついていない」と言う。

選手は違った。年明けからの練習は主将でもある内田が「俺らの代で全国大会で優勝しよう」とメンバーの意思を確認してトレーニングを積んだ。その強い思いが決勝の1点差勝ちに結実した。2月には北信越新人戦、7月には全国高校総体(インターハイ)が地元開催される。富樫監督は「内容はどうであれ、1点差勝ちは大きい。気持ちを切り替え、よく頑張ってくれた」と選手の奮闘をたたえっぱなしだった。【涌井幹雄】