バレーボール全日本高校選手権(春高)に北海道科学大高エースとして2大会連続で出場した柿崎晃(18)は、日本のエースへ進化する。4月から日本代表の石川祐希(25=イタリア1部ミラノ)を輩出した中大に進学。春高では2大会連続で初戦敗退を経験。強豪校から精鋭が集まる中大で中学時代から憧れを抱く石川に続いて在学中の日本代表入りへ、腕を磨く。

柿崎が夢への第1歩を踏み出した。3月9日に東京生活をスタートさせ、すでに中大の練習に合流。2日に入学式を迎え、改めて決意を示した。「全国トップクラスの選手が集まってくる大学。レベルの高い環境の中で勝負させてもらえる。1年生から試合出られるチャンスを少しでももらって、インカレ優勝に貢献したい」。全日本大学選手権で最多15度の優勝を誇る名門での活躍を誓った。

憧れ続けた場所だ。星城(愛知)時代に史上初の高校6冠を果たした日本代表の石川が在籍した大学で「石川選手はずっと憧れ。中学3年の時から中大に行きたいと思っていた」。スポーツ推薦で入学した同期は5人。星城や愛工大名電など全国でも強豪と呼ばれる高校出身者が集い、寮生活では自炊もする必要があり「レベルアップできる」と心身両面で成長できる環境を歓迎した。

函館市出身で木古内中3年時代には道中学選抜主将として全国都道府県対抗で8強入り。全日本中学選抜(12人)のメンバーとしてオーストラリア遠征も経験したが、3年時に木古内中に転校する前は函館銭亀沢中でたった1人で練習していた時代があった。基礎練習を繰り返し「自分の持ち味はレシーブやトスができて、スパイクも打てるバランスの取れた選手」と自覚できるまで成長。満足に大会に出場できなかった中学時代の経験は、コロナ禍でも練習に打ち込む原動力になっている。

高校時代は1年時にセッターを経験するなど187センチの万能エースと活躍も、道予選2連覇で出場した19、20年度の春高では初戦敗退。雪辱を胸に、大学へ進む。バレー選手としては決して長身ではないが、192センチの石川が日本代表に初選出されたのは中大1年時だ。柿崎は「将来的にはVリーグやオリンピック(五輪)も目指したい。在学中に日本代表を狙えるぐらいの気持ちで頑張りたい」。新たな環境で進化を遂げ、日本のエースを目指す。

◆柿崎晃(かきざき・あきら)2002年(平14)4月16日、函館市生まれ。函館東小1年でバレーボールを始める。部員1人だった函館銭亀沢中から3年時に木古内中に転校し、同年に全日本中学選抜に選出。北海道科学大高では1年時からレギュラーで全国大会最高成績は2年時の19年総体16強。好きな歌手は「ONE OK ROCK」。最高到達点は330センチ。全員がバレーボール経験のある家族は両親と兄、弟。187センチ、73キロ。