女子400メートル個人メドレーは、大橋悠依(25=イトマン東進)が4分35秒14で優勝し、東京オリンピック(五輪)代表に内定した。バタフライから先頭を譲らず、派遣標準記録も3秒以上クリア。世界選手権2大会連続メダリストは「純粋に五輪選手になれるのはすごくうれしい」。

彦根市立東中1の授業参観日。「私の夢」を発表する授業で「五輪に出ることです」と宣言し、母を「えらい大層なことをいうてるやん」と驚かせた。当時の憧れは背泳ぎ入江。ペットボトルを頭に乗せて泳ぐ姿をまねた。サインをもらったジャージーは宝物だ。「リオ五輪は間に合わないけど、東京五輪で活躍できる」とスカウトされ、平井コーチの東洋大に進学した。

初の夢舞台が決まった。なのに笑顔はない。その名伯楽のもと、一緒に練習していたのが清水咲子で、一緒に五輪に行きたかった。自分が苦しんでいた時、明るく支えてくれた先輩は3位。「咲子さんの分まで頑張ります」。敗者のように大粒の涙があふれ出た。