世界39位で日本のエースの錦織圭(31=日清食品)が、惜しくも赤土の王者にフルセットで敗れた。今大会11度の優勝、全仏13度の優勝を誇る同3位のナダル(スペイン)に0-6、6-2、2-6で敗退した。次戦は26日から始まるエストリルオープン(ポルトガル)に主催者推薦で出場する。

どれだけ、競ったポイント、大事なポイントで、精度の高いプレーができるかの差だった。ブレークポイントを握った数は、ナダルの11に対し錦織は13。しかし、そのチャンスをものにできたのはナダルが5、錦織が2だった。

錦織は第1セット、ポイントこそ競うがゲームを奪えず。スタートから7ゲームを連続で失った。しかし、第2セットの第2ゲームで、この日、初めてゲームを奪うと、「やっとタイミングが合ってきた」と、流れは一転した。0-1から3ゲームを連取し、第2セットを奪った。

最終セットのカギは、ナダルのサーブの第1ゲームだった。錦織は3本連続のブレークポイントを握ったが奪えず。「あそこでブレークできていれば」と嘆いたが、逆に第4ゲームで先に自分のサービスゲームを落とし、最後は力尽きた。

それでも赤土でナダルと好ゲームを演じることができた。特に、第2セットのような速い展開で攻めきるプレーは、全盛期を十分に思い出させた。けがからの復帰段階という気持ちは、もう錦織の中にはないのだろう。だから「あまり良かったという気持ちはない。いいプレーが継続しないのがふに落ちない」。その悔しさが、錦織を完全復活に導くはずだ。

◆バルセロナオープンは、4月19~25日、WOWOWオンデマンドで配信中。