バレーボール女子日本代表前主将のミドルブロッカー岩坂名奈(30=久光)が29日、引退会見で今季限りで現役を退く理由を語った。

「(今季は)コンディションが上がらず勝負に食い込めなかった。チームに貢献ができないことが多くなり、区切りにしようと決めました」と話した。晴れ晴れした表情で「心残りはありません。達成感の方が強いです」と周囲への感謝を惜しまなかった。

大分・東九州龍谷卒業後12年間にわたりプレーした久光、「恩師」として慕う女子日本代の中田久美監督、チームメートやファンへ。それぞれへの感謝を口にして、岩坂は「中1からバレーボールを始めて、生活の一部。いろんな方々に恵まれてここまで来れました」と振り返った。

17年から19年まで女子代表の主将を経験した。中田監督から抜てきされたが、岩坂自身は「エースでも絶対的存在でもない。どちらかという常に周りを気にしていました」。慣れない役職に重圧を抱きながらも、「キャプテンの経験が今後の人生に生かされると思う」と力強く語った。

今夏の東京オリンピック(五輪)を目指す代表候補には久光から3選手(オポジットの長岡望悠、アウトサイドヒッターの石井優希と井上愛里沙)が名を連ねる。そんな選手たちへ、岩坂は「応援したい気持ちでいっぱいです」と語った。 自身の今後については未定としながらも、「12年間お世話になったので、何かしらのお手伝いをしていきたい」と抱負。去る者としての言葉も忘れず「変化はリスクもありますが、来季からまた新しい久光を作り上げてほしい」とエールを送った

このほか16年リオデジャネイロ五輪日本代表のリベロ座安琴希、セッター小島絢野の2選手も現役引退会見を行った。【平山連】