昨年の全日本ノービス選手権A2位、飛び級で推薦出場した全日本ジュニア選手権では4位と健闘した柴山歩(13=木下アカデミー)が登場し、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に挑戦した。

冒頭、大技に挑戦。スピード、高さともに十分に見えたが、転倒した。練習では「最近、調子が良かったので、その時に比べれば良くなかった」と本来の出来を見せられず反省したものの、笑顔で「中途半端なことはしてないので、良かったと思います」。思い切って跳んだジャンプに後悔はなかった。

4月25日まで本拠の木下アカデミー京都アイスアリーナで行われたアイスショー「ブルーム・オン・アイス」に出演。1週間で調整してきた。3回転ルッツ-1回転オイラー-3回転サルコーの3連続こそ最後の着氷が乱れ、「少し悔しいですけど(全体で)2回ミスがあったオール京都よりは良かったです」。試合でルッツが本調子ではなかったことで「ミスが多すぎてチャレンジできてなかったので(3連続を)やりたいなと思って今回は入れました」と決め、シーズンオフ前に一定の成果を収めた。

7月1日から正式にジュニア1年目を迎える。フリー曲は「ドン・キホーテ」から、メンデルスゾーンの「バイオリン協奏曲」に新調。キャシー・リードさんの振り付けで「曲の強弱がだんだん速くなっていく。最初は、どう演じたらいいか難しかったんですけど、滑らかな感じの曲が好きなので今は好きです」と徐々になじんでいることを明かした。

練習拠点が同じで、1学年下の島田麻央(12)が日本女子初の4回転トーループ成功者になったことも刺激になっている。「普段、アカデミーのリンクで練習していて跳んでいるところを見るんですけど、回転のかけ方とか麻央ちゃんは全部完璧なので、横で練習させてもらって感謝しています」。謙虚に語ったが、自身は4回転サルコーを練習中だ。「回転は少し足りないんですけど(練習を始めていた昨秋の)全日本の時よりは良くなっています。片足で立つのがすごく苦手で、乱れた感じになって降りるか、たまに回転がいい感じでこけています」と現状を説明した。試合で成功すれば、安藤美姫と紀平梨花に続いて日本女子では3人目となる。

新シーズンに向けては、6月に行われる選手派遣選考会をへてのジュニアグランプリ(GP)シリーズ出場、全日本ジュニア選手権で上位に入っての全日本選手権推薦を目標に掲げた。将来の夢は「(カミラ・)ワリエワ選手のようにスケーティング、スピン、ジャンプがそろっていて世界で活躍できる選手になりたいです」とロシアの4回転ジャンパーを挙げた。理想を高く持ちつつ、まずはジュニアの国内外トップ選手になるために好環境のリンクで練習を積む。【木下淳】