92年バルセロナ五輪柔道男子71キロ級金メダルで、今年3月に53歳で死去した古賀稔彦さんの巨大壁画が7日、佐賀市に完成した。

壁画は少年時代を佐賀県みやき町で過ごし、東京五輪の聖火ランナーとして10日に県内のコースを走る予定だった古賀さんへの追悼とコロナ禍での大会成功の願いを込めて制作された。アート集団「OVER ALLs」が3日から百貨店「佐賀玉屋」の壁に、豪快な一本背負いを決める「平成の三四郎」を描き上げた。一本背負いのシルエットの中には、古賀さんがバルセロナ五輪で金メダルを獲得した際の表情が描かれている。

OVER ALLsの赤沢岳人社長は「アーティストは感動を与えるのが仕事。逆境の今だからこそ、僕らもアートで感動を伝えたい。みなさんに感動を与える五輪は、ぜひ開催してほしいです」と期待した。古賀さんの兄の元博さんは「早速、壁画の写真を撮影して(稔彦の)家族や知人に送りました。『素晴らしい』『佐賀に見に行きたい』などの返信がたくさん返ってきました。私も弟も佐賀県には大変お世話になっていて、このような取り組みをしていただき感謝しています」と感慨深げに語った。