全国大学ラグビー選手権で2連覇を目指す天理大(昨季関西1位)が23日、新チーム初となる15人制での対外試合を行った。

奈良・天理市の同大学グラウンドで京産大(同3位)と対戦。苦しみながらも26-19(前半7-12)で競り勝った。日本一をつかんだ1月以来、約4カ月ぶりの対外試合を終え、小松節夫監督(58)は「フィジカル面は他も(強化を)やっている。圧倒できたかというと、そうではない。足りないところを自覚し、1人1人が強くならないといけない」と課題を口にした。

前年度の主力だったCTBシオサイア・フィフィタ(近鉄)、SH藤原忍(クボタ)、SO松永拓朗(東芝)らが抜けた。全国大学選手権決勝の早大戦先発15人のうち、この日も先発したのはNO8山村勝悟(3年=天理)の1人。フッカー佐藤康主将(4年=天理)、副将のFB江本洸志(4年=日本航空石川)、NO8アシペリ・モアラ(4年=日本航空石川)らを欠きながら試合に臨んだ。

前半6分には先制トライを許し、同10分にフッカー谷口永遠(とわ、3年=関大北陽)がチーム初トライ。だが、同37分にはスクラム起点のトライで勝ち越され、前半を7-12で折り返した。

両チーム1トライ1ゴールを挙げ、5点を追う後半27分にラインアウトからのモールで同点トライ。キックで勝ち越し、粘り強い防御で逃げ切った。ゲーム主将を務めたロックの上田圭佑(4年=花園)は「もっと切磋琢磨(せっさたくま)していかないといけない。誰がメンバーになるか分からない。みんなにチャンスがある」と力を込めた。

30日には関西大学春季トーナメント初戦で、近大と対戦する。4月はラグビー部外だったものの、大学内で新型コロナウイルス感染拡大のため、2週間の全体練習休止を余儀なくされた。昨季もメンバー入りしていた谷口は「しんどいけれど、春は相手に走り勝つ。そこに夏、秋で細かい戦術が入ってくる」。上田も「全国優勝の壁を乗り越えるために、日常から努力しないといけない。春ももちろん(関西)優勝したい」と目標を掲げた。【松本航】

 

 

◆京産大戦の天理大先発

〈1〉高橋虎太郎(4年=報徳学園)

〈2〉谷口永遠(3年=関大北陽)

〈3〉岩室勇汰(4年=柏原)

〈4〉ナイバルワガ・セタ(3年=秋田工)

〈5〉上田圭佑(4年=花園)

〈6〉小林真陽(4年=天理)

〈7〉照井悠一郎(3年=天理)

〈8〉山村勝悟(3年=天理)

〈9〉北條拓郎(2年=天理)

〈10〉藤田大輝(4年=京都工学院)

〈11〉内村祐介(4年=天理)

〈12〉間森涼太(3年=神戸科学技術)

〈13〉高部勇(4年=天理)

〈14〉豊田祐樹(2年=天理)

〈15〉藤田晃平(2年=京都工学院)