昨季リーグ最下位の近大が07年以来、14年ぶりとなる天理大戦勝利を飾った。

激しいタックルを最後まで続け、大学王者をパスミスにつけ込まれた1トライに封じた。1ゴール2PGで貢献したCTB福山竜斗主将(4年=天理)は「80分間、どれだけ点差が開いても油断なく、最後まで集中しきっていた。間違いなく、今年一番のものが出せた」と喜びをかみしめた。

今季の最上級生には、福山と共に19年U20(20歳以下)日本代表ブラジル遠征メンバーに入ったプロップ紙森陽太(大阪桐蔭)ら実力者がそろう。天理高出身の福山竜が近大を選んだ理由の1つが、天理大を破ることだったという。中島茂総監督は「特に今年は主将の福山を中心に、本気で天理を倒すにはどうするかを考えてきた。フィジカル、スピード、かたまり…。天理を上回るという構想を立てて、4年間作り上げてきたチーム」と胸を張った。

昨季は新型コロナウイルスの影響で7位決定戦を棄権。“シーズン最後の一戦”は突然消えた。福山竜は「コロナの影響で最後までシーズンを戦えなかった。悔しい思いをした分、戦っているチームより先にフィジカルを強化できると思ってやってきた」。次節は10月9日の同志社大戦(滋賀・布引グリーンスタジアム)。関西初優勝、9年ぶりの大学選手権出場へ、大事な戦いが続く。【松本航】

<07年以降の近大-天理大の対戦成績>

07年 近大22-20天理大

08年 天理大22-10近大

09年 対戦なし(近大はBリーグ=2部)

10年 天理大48-0近大

11年 天理大40-7近大

12年 天理大31-8近大

13年 天理大13-10近大

14年 天理大35-28近大

15年 天理大55-5近大

16年 天理大54-5近大

17年 天理大42-27近大

18年 天理大50-0近大

19年 天理大68-13近大

20年 天理大50-0近大

21年 近大23-7天理大