日大アメリカンフットボール部出身の平本恵也氏(34)が22日、母校ヘッドコーチ(HC)就任を表明した。関東大学1部リーグ戦の開幕前のオンライン会見に出席し、1日付で着任したと明かした。

19年までプレーした富士通や他校も、HCが指導者のトップは多く、話し合いでHCでの登録を決めたという。監督は不在となるが「全責任は私が負います」と話した。富士通社員のままで指導にあたるが、正式契約は終えていないという。

反則問題から3年で関東制覇した橋詰監督ら前コーチ陣は留任希望も、8月31日の任期満了で退任した。日大職員でもある藤巻辰崇OBが、5年ぶり復帰となる後任のコーチを志願。平本HCは同じ佼成学園出身の2年先輩で、声を掛けられての就任となったと説明した。

コーチ陣は10人程度集まっているとし「これまでのチームのいいところを残しながら、新しい考えもすり込み、学生とコミュニケーションをとりながらチームを作っていきたい。目の前の1試合、1プレーに全力を尽くしていきたい」との抱負を口にした。

平本HCはQBとして、日大2年時の07年に負傷の4年の代役で17年ぶりの甲子園ボウルに導いた。関学大に逆転負けも激闘を演じた。富士通では14年に負傷の米国人の代役で初の社会人制覇、ライスボウルも制して初の日本一となっている。

昨年は地方の大学をオンライン指導し、青学大ビジネススクルールにも通っている。これまで母校へはグラウンドに顔を出す程度だったという。本格的な指導経験はなく、チーム運営の手腕なども未知数と言える。

開幕を1カ月後に控えての指導陣交代となった。DL菅原主将は「日大は日本一が使命。気持ちに変わりはなく、やることをやり、体現するだけ」と話した。

初戦は10月3日の法大戦で、春は敗れた優勝候補といきなり大一番となる。昨季は関東制覇で復活も、甲子園ボウルでは関学大に敗れた。4年ぶりの日本一奪回へ「昨年負けた無念を晴らす」と、決意に揺るぎはなかった。