20年のインターハイ女王で、今春大学に進学した吉岡詩果(18=山梨学院大)が大会2連覇を達成した。

前半は3回転サルコー-2回転トーループやダブルアクセル(2回転半)からの3連続ジャンプなどを決めて上々の滑りだし。後半は得意の3回転ルッツが回転不足を取られるなどミスも出たが「すごく良かったわけではないんですけど、優勝できてうれしい。練習があまり積めてない状態だったんですけど、試合で、いつも以上に集中して臨めたことは良かったと思います」と振り返った。

練習できていなかった理由は、右足舟状骨の疲労骨折だった。9月11、12日に行われた冬季ユニバーシアード大会の派遣選考会に出場するため「それまでも痛みはあったんですけど」練習を強行。試合後に検査を受けた結果、疲労骨折と判明した。

現在も痛みはあり、満足に滑り込むことはできなかったが「楽しんで、大きな演技ができたらいいと思っていました」。スコアはフリー108・01点の合計162・84点。8月に出た関東サマートロフィーのフリー108・92点、合計168・78点は下回ったものの「ベストまではいかなくても、次の東日本までに少しでも足の状態を良くして、いい演技ができるように練習したい」と一定の納得はした。

今春、千葉・植草学園大付高を卒業して山梨学院大へ進学。拠点を小瀬スポーツ公園アイスアリーナに移した。「今まで両親に手伝ってもらえたんですけど、今は寮で1人暮らし。1人でいろいろやらないと…少しずつできるようにはなってきました」と笑いつつ「(進学先を選ぶに当たって)迷っていた部分はあったんですけど、山梨のリンクは環境も良く、岩本(英嗣)先生に指導していただきたいと思っていたので、山梨に行こうと決めました」と理由も説明した。

樋口新葉や河西萌音らを指導してきた岩本コーチには「高校1年の終わりごろから月に2、3回、山梨まで行って教わっていました」。課題の表現力を向上させるための師事。大学生になった今年から大人らしさをテーマにしており「かわいらしすぎてもダメだなと。大人っぽい演技を心掛けてはいるんですけど、まだ幼く見えてしまう部分があるので、シニアらしい滑りができたらいいな」と恩師の下で磨きをかけている。

次戦は今月末の東日本選手権(西東京)。「大変なことですけど東日本も通過して、全日本に出場して、ショートプログラム、フリーともにノーミスの演技をしたい」と大学1年目の目標を口にした。【木下淳】