女子1次ラウンド(R)3回戦で、東京学館新潟が十日町に110-26で圧勝、2次R進出を決めた。登録18人全員を投入する総合力の勝利。右前十字靱帯(じんたい)損傷が完治していない主将のF相馬彩音(3年)は、7分間の出場で5本の3点シュートを決めてシューターの役目を果たした。

点差が開いても集中を切らさない。東京学館新潟のメンバーはボールをつなぎ、走り、リングにアタックし続けた。第2、第4クオーターに計7分出場したF相馬は3点シュートを5本リングに沈めた。5月の練習試合で前十字靱帯を損傷した右膝には黒いサポーターが巻かれる。「手術しなければいけないけれど、引退してから考える」と勝ち続けて手術の時期を延ばす決意だった。

全国高校選手権が「選抜」という名称だったウインター杯に16回出場している名門。ところが6月の県高校総体は2回戦で優勝した開志国際に58-69で敗退。冬は1次Rからの登場になった。故障で県高校総体は不在だった相馬は「先輩たちの栄光を取り戻すために全員、同じ気持ちで練習してきた」と12年以来9年ぶりの全国コートへの照準はブレていなかった。

本間愛美監督(35)は「1次は自分たちのやるべきことを徹底させた」と言う。持ち味の機動力を駆使し2戦連続の100点ゲーム。シード校も登場する2次R(31日開幕)へのアイドリングを終えた。相馬は「気を抜かずにプレーしたい」と闘志をかき立てていた。【涌井幹雄】