男子2位の佐藤駿(17=フジ・コーポレーション)が第1部に登場した。カラフルなシャツと黒のパンツ姿で、ジュニア最終シーズンとなった19-20年のショートプログラム(SP)「ロシュフォールの恋人たち」を披露。ルッツ、フリップやトーループを絡めた2連続ジャンプで沸かせた。

このプログラムは19年のジュニアGPファイナルで優勝した時のSPで、続く世界ジュニア選手権では自己ベストを更新した思い出の曲。その79・30点から、今大会は87・82点に上書きした。合計点も、ジュニアGPファイナルの255・11点(ジュニア世界記録)から264・99点に塗り替えて、シニアとして前進する一戦となった。

一夜明けて取材に応じた佐藤は「まだ2位になったという実感が湧いていないんですけど、表彰台に初めて(シニアの)GPで乗れたことは、すごくうれしく思っています。『テレビで見たよ』と、すごく家族や学校の人から連絡きたのでうれしかったです」と穏やかな表情で語った。

第1戦スケートアメリカは左肩を脱臼しながら4位と粘り、今大会は銀メダルを獲得した。GPファイナル(12月9~12日、大阪)初進出の可能性を残したが「まあ、もし出られたらうれしいんですけど、まずはGPファイナルのことは考えずに。次は一番大事な全日本(選手権=12月22~26日)が迫っているので、そこでいい成績が残せるように、そこで今までやってきた全てを出せるように、全日本に向けて頑張っていきたい」と、目指す22年北京オリンピック(五輪)日本代表最終選考会を兼ねた国内最高峰の大会を見据えていた。【松本愛香通信員】