チーム内の新型コロナウイルスの影響で今季初戦となった埼玉パナソニックワイルドナイツが、白星発進した。中止となった第1~2節で勝ち点0。前身のトップリーグで最後の王者となった優勝候補が、難しい状況下で、2連勝中だった横浜キヤノンイーグルスを退けた。3トライ差以上のボーナス点もつかみ、途中出場した日本代表フッカーの坂手淳史主将(28)は「今日という日、僕たちの開幕戦を迎えられてうれしかった」と笑顔を見せた。

連係不足が目立つ攻撃を、自慢の防御が支えた。3-3の前半36分、相手のこぼれ球を拾った日本代表CTBディラン・ライリー(24)が勝ち越しトライ。前半終了間際には2分半近く自陣ゴール前で防御を続け、相手に追加点を許さなかった。

10-3で折り返した後半は16分にスクラムからBK陣が突破し、CTBハドレー・パークス(34)がトライ。主導権を握ると、着実に加点して逃げ切った。

埼玉は次節、敵地でコベルコ神戸スティーラーズ戦(29日、神戸ユニバー)に臨む。「マン・オブ・ザ・マッチ」に輝いた日本代表SO松田力也(27)は「タイトルを取る。取りにいきますけれど、まずは1戦1戦積み重ねないと、その先はない。最後、笑って終われるようにやっていきたい」と言い切った。【松本航】