“超攻撃型バレー”をホーム最終戦で見せつけた。暫定3位アランマーレ山形が同6位ブレス浜松に3-1で逆転勝利を収め、1日で2位に返り咲いた。宮本菜月主将(25)と木村友里(26)が両軍最多タイとなる18得点をマーク。前日22日にホーム戦連勝が「14」で途切れたが、気持ちを切り替えて役割を全うし相手を振り切った。

アランマーレ山形が、自分たちのスタイルを貫いた。前日、ホーム連勝記録が止まったが引きずることなく試合に集中。第1セット(S)を先取されたが修正し、以降の3Sを連続で奪取した。昨季はコロナ禍で中止となった鶴岡開催で白星を収め、木村は「声が出せない中で手をたたいてくれて、苦しい場面で何度も背中を押された。会場全体で戦えた雰囲気に感謝の気持ちでいっぱい」と応援に感謝した。

ボールに食らいつき流れを呼び込んだ。第2S序盤は一時7点差の苦しい展開。長いラリーが続いても集中力を切らさず拾い続け、最後はスパイカーが得点に結びつけた。宮本は「どんなボールが上がってきても、ブロックもディガーもぶち抜こうと思って打った」。気迫の表情で右腕を振り抜き、1-1に追い上げた。

緊急事態が起きても動揺はしなかった。2-1の第4S中盤に、この日11得点の前田美紅(23)が負傷交代し、原田栞里(23)がコートへ。緊急での出番にもかかわらず力強いスパイクなどで7得点を挙げ、起用にきっちり応えた。北原勉監督(41)は「いつでも出てやるぞという気持ちを持っていた。出た瞬間にマックスで動いてくれた」と目を細めた。

今季のホーム戦はこれで終了。今後は5試合が予定され、30日に静岡・浜松市で10位熊本との一戦を控える。バックアタック4本を決めた殊勲の宮本は「アランマーレのバレーをやり続けることが一番大切になる。サーブから始まるトータルディフェンスを変えずに、1人1人の役割を徹底していきたい」。自分と仲間を信じ、全員バレーで首位をつかむ。【相沢孔志】