3年ぶりの東北舞台で執念を見せる。1月の全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)4強の雄物川(秋田1位)が、東陵(宮城3位)に2-0でストレート勝ち。背番号「1」の滝沢大希主将(3年)が得点源として奮起し、初戦突破に導いた。地元開催の弘前工(青森1位)は会津学鳳(福島3位)に2-0で快勝した。

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自身の左腕で勝敗を決めても、滝沢に笑顔はなかった。第1セット(S)7-7で得点を奪い、そこから5連続得点。相手を一気に引き離して同Sを先取。第2Sも序盤から主導権を握り、24-13とマッチポイント。「快勝発進」も見えたが、そう簡単にはいかなかった。「受け身になって自分たちで攻めて点数を取れなかった」。ミスや相手のブロックなどで8連続失点。チームに白星をもたらしたが「もっと早く取りたかった」と汗をぬぐった。

東北を代表する伝統校で主将と背番号「1」。「終盤やきつい場面でトスが上がってくるのはキャプテンの自分。そこで決めきる責任がある」と自覚する。脳裏には昨年度春高4強に導いた前エース石塚蓮の姿がある。「蓮先輩は自分のプレーが決まったら盛り上げてチームの雰囲気を上げていた。自分が決めたら一番喜んでチームの雰囲気を良くしていこうというのは蓮先輩から学んだ」とプレーで流れを呼び込む。

20、21年はコロナ禍で中止となり、3年ぶりの大会。「東北で勝ち進まないと全国大会で通用するチームにはなれない。しっかり勝ち進んで自信をつけてインターハイに臨みたい」と気持ちを引き締めた。前回優勝したのは青森開催の15年。宇佐美大輔監督(43)は「やれることだけを精いっぱいやるだけ。この大会をいい経験にしてインターハイに向かっていければ」。1つでも多く勝ち上がり、夏の全国に弾みをつける。

【相沢孔志】

<弘前工 190センチ鳴海魁馬が2桁得点>

弘前工(青森1位)は鳴海魁馬主将(3年)が2桁得点で1勝に貢献した。チーム最長190センチの身長を生かしたスパイクで終始圧倒し、今日25日の準々決勝に駒を進めた。地元開催で挑むチームとして目指す目標は「優勝」の2文字。「自分たちがミスをしない限り負けないと思うので、他県1位のチームに勝たないとインターハイでも全国の壁は越えられない」と県王者対決に闘志を燃やした。