ソフトボール小学生女子の全国大会優勝、準優勝チームが29日、東京都庁に小池百合子知事(68)を表敬訪問し、大会成績を報告した。

3月に行われた春季全日本小学生女子大会(愛媛県)で、オールあきる野女子が優勝。17年夏以来の日本一に返り咲いた。決勝では準優勝の石神井スマイルに9-4で逆転勝ちし、東京対決を制していた。

オールあきる野女子の柴崎特攻監督は「一生懸命、練習してきたことで自信を持って戦えました」。原崎菜緒主将は「チーム全員で全国制覇という高い目標に向かって毎日練習してきました。決勝戦では、いつも練習試合をしている石神井スマイルさんに3回表に逆転されて焦りましたが、柴崎監督から『時間はあるから、いつも通りに』と声をかけていただいて、自分たちらしい打撃が4回裏に出せて逆転することができました」と戦いぶりを小池知事に紹介した。

続いて、石神井スマイルの吉山雄樹監督が「素晴らしいスピーチの後で話しづらいのですが…」と笑いながら「約25名の選手に、いい思い出をつくってもらえるよう地域を挙げて活動しています。この子たちが中学生になっても素晴らしい活動が続けられるように、新しい枠組みを、行政の方々のご賛同をいただきながら作り上げていければ、と思っております。ご支援のほど、よろしくお願いします」とあいさつした。

増田莉緒主将も「このような素晴らしい機会を与えてくださり、ありがとうございます」と感謝。「日ごろ、石神井公園グラウンドで活動することが多く、公園の関係者や地域の方々からの『頑張ってね』の声に励まされています。これからもソフトボールが大好きな気持ちを大切に、お父さん、お母さん、チームのみんなとスマイルで頑張っていきたいと思っています。今後とも、私たちや、私たちの仲間であるソフトボーラーのサポートを何とぞ、よろしくお願いします。これからも頑張ります」とスピーチし、大きな拍手を浴びた。

小池知事は「とてもしっかりしていて、ますます応援したくなりました」と笑顔。「東京都のチームがワンツーフィニッシュ。素晴らしい成果をもたらしてくれました」と称賛した。

自身もソフトボール経験者だったといい「私自身も中学時代、ピッチャーとレフトを担当していました。夏のさなか、ずっと練習して、暑くて暑くて、声も出なくなってしまって。コーチから『グラウンドもう1周!』と言われ、鬼じゃないかと思ったり(笑い)。でも、今でも忘れられない思い出です。あまり勝った覚えはなくて、負けた思い出ばかりあるんですけど、いい思い出」と経験を伝える場面もあった。

あきる野は5月の都予選も頂点に立って8月の全日本小学生女子大会(滋賀県)出場を決めており、原崎主将は「チーム史上初の春夏連覇を目指します」。石神井は同月の関東大会(群馬県)へ進み「夏の全国大会は出られないけど、都庁に招いていただいて気合が入りました。(昨年に続き)関東大会2連覇できるように頑張ります」と増田主将が闘志を燃やした。

シニアのソフトボール競技は昨夏の東京オリンピック(五輪)で復活。上野由岐子投手らの活躍で13年ぶりの金メダルに輝いた。小池知事は「皆さんも五輪の素晴らしい成績を覚えていますよね。残念ながら24年のパリ五輪では実施されませんが」とした上で「(28年ロサンゼルス五輪では再復活の可能性があり)また素晴らしい舞台が、みんなを待っていると思います」と未来の日本代表候補にエールを送っていた。

都知事は最後に「オールあきる野は全国春夏連覇、石神井スマイルは(2年連続の)関東制覇という明確な目標があります。これからも競い合って、東京都を代表してチーム一丸となって、また素晴らしい結果を勝ち取ってくれることを願っています。今年は暑いですからね、ソフトには熱中しても熱中症にはならないように。頑張りましょう!」と期待を込め、報告会を締めくくった。

9月には都の新人戦も始まり、石神井と同じ練馬区予選には大東チェリーズなども出場する。【木下淳】