金戸凜(19=日大)が、世界最高レベルの秘技に初めてチャレンジした。最終の5本目に「5337D(前逆宙返り1回半3回半ひねり自由形)」にトライ。61・25点と高得点とはいかなかったが「これからもやっていきます。数をとんで、試合で使う経験をしていきたい」と宣言した。

「5337D」は男子の玉井らが使う技で難易度は3・5。この日、3連覇を達成した三上の大技「5154B(前宙返り2回半2回ひねりえび型)」の難易度3・4を上回る。女子では日本唯一、世界でもごくまれにしかお目にかかれない秘技だ。

これまでも挑戦はしていたが、試合で使えるレベルではなかった。だが昨年9月から筋力トレーニングを本格化。体幹を鍛えて「体を締めることでスピンも速くなった。水面までの距離が今までよりも速くひねり終わるようになった」。1カ月前から技の感触がよくなり、試合での投入を決断。金戸は「難易率(難易度)が高いだけでは勝てない。クオリティーが大事。まだまだなので、そこは頑張っていきたい」と話した。

試合は318・35点で2位で、三上とは45点差がついた。今後は得意の高飛び込みに加えて、板飛び込みでも、シンクロ種目でも、成長を目指していく構え。「いろんな種目で結果を出していきたい」と意気込んでいた。【益田一弘】