B1仙台89ERSが15日、今日16日から開幕する東北カップ(秋田)に向けて練習を行った。今月行われた宇都宮ブレックス、琉球ゴールデンキングスとのプレシーズンゲームでは名古屋ダイヤモンドドルフィンズから新加入したポイントガード(PG)小林遥太(31)が全試合に先発出場。落ち着いたゲームメークでチームをけん引したが、白星を手にすることはできず。東北カップでの新チーム初勝利に向け、小林がそのシナリオを組み立てる。

    ◇    ◇    ◇  

3日宇都宮戦は75-76と惜敗。10、11日の琉球戦は第1戦が77-96、第2戦は90-98と力負けした。小林は3試合を振り返り、「結果こそ良い結果は出ていないが、自分たちのやりたいバスケットは、試合ごとに良くなっている」と手応えを感じている。要所で強度の高いディフェンスを発動する「仙台89ERSのバスケット」を実践。小林は「今年初めてB1に挑戦する選手もいるので、戸惑った部分もあると思うが、だんだん自信もついて試合に慣れてきている。東北カップでさらによくなると思います」と語り、徐々にB1にアジャストしていくチームに期待を込めた。

同じPG渡辺翔太(23)とともにチームの軸となる。小林は「(渡辺)翔太はアグレッシブ。スピードもすごく、運動能力もある。僕は翔太に比べてスピードはないが、経験を積んできている。周りを生かすタイプ」と分析。小林はB1経験が豊富で、ゲームコントロールにたけており、渡辺は鋭いドライブで自らチャンスメークできる。小林はオフェンスでの2人の特徴を生かすために「僕も翔太も、周りの選手ともっとコミュニケーションを取っていかないといけない」と、多彩なオフェンスの構築に意欲を見せた。

昨年、東北6県6チームで行われた東北カップは今年、北海道、SR渋谷を加えた過去最大の8チームで行われる。小林は「僕らはまだ『勝つ』ということを知らない。まずはしっかりと僕らのバスケットをやって勝利し、やってきたことが正しかったんだなと思えるようにしたい」と意気込んだ。初勝利をつかみ、10月1日から開幕するB1に向け、勢いをつける。【濱本神威】