女子で高校生の林愛望(まなみ、岡崎城西高・まるいち)が、男女を通じて最年少となる17歳で初優勝を飾った。スイム、バイクで好位置につけ、得意のランで独走。2時間1分22秒で2位に42秒差をつけた。男子は、21年東京五輪で個人19位の小田倉真(29=三井住友海上)が1時間48分24秒で初優勝を飾った。

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30年近い大会の歴史で高校生として初めて日本一の称号を手にした。今大会唯一の高校生、林は経験豊富な先輩アスリートに囲まれても冷静だった。「ランをトップ集団で迎え、そのまま勝つ」。プラン通り、先頭と2秒差で3種目目のランを迎えると、すぐにトップに躍り出た。2位に42秒差をつけてゴールし、「率直にうれしい」と白い歯をこぼした。

小学生の頃から水泳と陸上に打ち込み、記録会に出たことがきっかけで、高学年から競技を始めた。「3種目あるので、後から挽回したり、得意な種目で追い上げたりできる」。高校では陸上部に所属。今夏の全国高校総体には1500メートルで出場するなど、ランが得意。スイムやバイクは、放課後や週末に練習を重ねている。

目標は28年のロサンゼルス五輪だ。「海外のレースに出ている日本人選手の方々は、私より全然強い。追いつけるように頑張っていきたい」。期待のニューヒロインは、6年後の世界一を見据えている。