シニア1年目でショートプログラム(SP)3位の住吉りをん(19=オリエンタルバイオ/明大)の、国際スケート連盟(ISU)公認大会で日本女子初の4回転トーループ(4T)成功はならなかった。

得点はフリー125.11点の合計193.12点で、第3戦フランス杯に続く2戦連続の3位となった。

今大会も冒頭で4Tに挑んだが、軸が大きく傾き、転倒した。今月上旬のフランス杯など国内外の大会でもトライしてきたが、目標達成は持ち越しとなった。

「表彰台はうれしいですけど、出来としては不満足で悔しい。前日に4T跳びたいと言ってきて、でも今朝になって気持ちがついてこなくて、練習でも跳べなくなってしまって…。まだまだ足りない」

2日前の公式練習では、やや回転が足りず。本人も「キレイに降りられたものはなかったんですけど」と言いながら、しかし片足着氷するジャンプを3度、見せていた。

「方向や軸の作り方は良かった。あとは本番でキレイに降りられるように上げていくだけかな」

感触は良かったが、今後の課題となった。

「跳びたい気持ちが先走ってしまい、プレッシャーになってしまった。先生(岡島功治コーチ)からも『跳びたい』になってるよ、と。練習でも“この1本”とやっているんですけど、もっと増やしていかないといけない。そこが(跳べている)本番と練習の差」

日本女子の4回転ジャンプ成功例は、まず安藤美姫(ISU公認のジュニアGPファイナル)と紀平梨花(ISU非公認の全日本戦選手権)があり、ともにサルコーだった。

国内では昨年3月、当時12歳の小学6年生、島田麻央が非公認の京都府選手権でトーループを成功させていた。ただ、国際大会ではまだ成功しておらず、住吉が「ISU公認大会で日本女子初」の4回転トーループ成功者を目指していた。

一方でファイナル(12月8~11日、イタリア・トリノ)進出の可能性は残し「狙い過ぎず、でも狙う、という気持ちが良くなかったかなと。ファイナルというより(年末の)全日本選手権に向けて高めていきたい」と切り替えていた。【木下淳】

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