東京五輪女子78キロ超級金メダルの素根輝(22=パーク24)が4試合連続の一本勝ちで制した。

「ここで勝つのは当たり前。しっかりと勝たないといけない大会だったので。すごくたくさんの方が応援してくれて。(両親が)久々に会場で見ていたので、家族のためにも優勝したいと思いました」

無観客開催だった東京五輪。直接、畳の上で戦う姿をみせることができた。初戦は体落としからの寝技、準々決勝は一本背負い、準決勝は延長戦で相手が指導3つの反則負け。秋場麻優との決勝では3分17秒に一本背負いで仕留めた。

3月に左膝を手術。2カ月間のリハビリをへて打ち込みを開始したが、優勝した8月のアジア選手権(カザフスタン)でも痛みは残っていたという。

「最近は気にならないですね。痛みもほとんどない。やっと普通に練習をできている感じです。思い切って、自分の思うように柔道できるのは幸せだな」

組み合う中でかみしめる日々だ。

国内選考会を欠場したため、10月の世界選手権は参加できなかった。

「焦りもありましたし、『なんで自分が出てないんだろうな』という不思議な感覚はありましたね」

来年5月の世界選手権(ドーハ)へ向けて、これで選考争いをリードした。

「(差がついたかは)分からないので。目の前の大会1つ1つを大事に戦っていきたい」

もう2度と「不思議な感じ」を味わうつもりはない。