車いすテニスで、パラリンピック計4個の金メダルを獲得した国枝慎吾(38=ユニクロ)が7日、現役引退会見に臨んだ。会見中に、座右の銘でもある「俺は最強だ」の言葉を7年前、ラケットから外そうとしていたエピソードを明かした。

リオデジャネイロ・パラリンピック開催年の2016年は、けがなどの影響で不振が続いた。「王者の看板が若手選手に渡ってしまったとき、『俺は最強だ』という言葉を(ラケットから)外そうかなと思った」と振り返る。

それを思いとどまった理由について、「(その言葉を)外した瞬間に、もう戻ってこないと感じた。だから最後まで外さなかった」。テニスをしていれば何度も弱気になることはあると振り返る。「俺は最強だ」の文字が入ったラケットで戦い続けたことで、「弱気の虫を外に飛ばしていけたかな」とうなずいた。