全国高校ラグビー(東大阪市・花園ラグビー場)の準々決勝4試合が、3日に行われる。元日の3回戦では、2回戦不戦勝のため初戦となった東のAシード桐蔭学園(神奈川)が、WTB竹中祥(2年)の2トライの活躍で報徳学園(兵庫)に15-14と競り勝った。流通経大柏(千葉)は、同じBシードの長崎南山(長崎)を17-12で下し、3年連続の8強入り。準々決勝で、桐蔭学園は西のAシード常翔学園(大阪第1)と、流通経大柏は大阪朝鮮高(大阪第3)と対戦する。

 東の横綱、桐蔭学園が、抜群の突破力を持つ竹中を軸に2年ぶりの4強を狙う。常翔学園との大一番に備えて2日、神戸市内で2時間の練習を行った。元日の3回戦ではノーシードの報徳学園に苦戦。不測の事態でこれが大会初戦となり、選手の動きは硬かった。

 救ったのが竹中だ。6点ビハインドで迎えた後半1分、70メートルを独走して左中間トライ。相手タックルをものともせずゴールラインを割ったこのプレーをきっかけにチームは息を吹き返し、1点差で逃げ切った。

 竹中はWTBにしてはがっちりめの176センチ、83キロ。小学生のころにサッカーをしていて「普通にドリブルしているだけ」なのに相手選手を吹っ飛ばしてファウルを取られたという、天性の当たりの強さを持つ。加えて、立川四中陸上部では、3年時に100メートル11秒09で全国大会準決勝に進出したほどの俊足だ。

 高校入学後に体脂肪を10%まで絞り、筋力もつけたU-17日本代表は、2年生ながらみんながボールを集めるエースに成長した。大みそかには、紅白歌合戦でAKB48の宮沢佐江を見て元気を充電。正念場の準々決勝に向けて「ボールに20回触りたい」と宣言した。