桐蔭学園(神奈川)は、6度目の決勝進出でまたしても西の強豪に単独制覇を阻まれた。

残り5分を切って敗戦濃厚な状況からSH小西泰聖主将(3年)が左中間へ今大会初のトライ。流れを引き寄せ、逆転ムードを作ったが、最後はノックオンからボールを奪われ2点差で無情にもノーサイド。単独優勝の喜びを味わうために練習してきた選手たちはグラウンドに崩れ落ちた。

序盤から強力FWに力負けした。中央から突進され崩された。藤原監督は「完敗。FWが強くないと勝てない。(トライ)5本で35点が勝負だと思っていた。それが取れなかったので」と素直に敗戦を認めた。

ユースオリンピック7人制日本代表の小西が昨年10月に右膝のケガで離脱。バラバラになりかけたが、全員でチームを支えた。「チームに何ができるか」と考えた小西も裏方に徹し、主将としての役割を再確認。県予選ではベストメンバーを組めない苦しい試合を勝ち抜いてきた。日本代表候補のFB伊藤ら下級生にもトップレベルの選手がそろい、3年生が抜けてもチームは高いレベルにある。「うちは誰が出ても同じパフォーマンスができますから」。藤原監督が築きあげてきた「桐蔭ファミリー」は来年こそ西の牙城を崩す。【松熊洋介】

◆桐蔭学園の主な3年生の予定進路

紀伊遼、寺嶋(明大)鈴木、西山、津田(中央大)紀伊雄、吉沢(立大)今野、佐々木(慶大)小西、平形(早大)小田原、田口(青学大)伊藤峻(東海大)伊藤吉(成蹊大)山口(専大)