新たな歴史の扉を開けてきた日本代表の戦いが終わった。世界ランキング6位の日本(A組1位)が、同4位の南アフリカ(B組2位)に3-26で敗れ、準々決勝で敗退した。自国開催の舞台で1次リーグを無傷の4連勝で首位突破。初の決勝トーナメント進出を決め、列島をラグビー一色に染め上げた1カ月。「ONE TEAM」を旗印に躍動した日々を戦い抜いた。

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23年大会の期待の星は、まだまだいる。28歳で迎えるCTB梶村とFB野口は、登録メンバー発表直前に行われた北海道・網走合宿に参加。落選したが、野口は高いランニングスキルを買われ、東海大在学中の17年に日本代表デビュー。突破力がウリの梶村も、社会人1年目の18年に代表デビューするなど、ともに実力は十分だ。大学生ながら卓越した試合コントロール能力を持つ早大SH斎藤ら、大学にも注目株が集まる。

FWの注目は、大阪桐蔭高3年のフランカー奥井。177センチ、106キロの体格で、高校生離れした突破力とハードタックルが持ち味。今年はU-20日本代表に飛び級するなど、大学4年で迎えるW杯を狙うだけの素質は持っている。24歳で大会を迎える高卒トップリーガーのNO8福井や、170センチと小柄ながら明大の主将を務めるフッカー武井ら、バラエティーに富む。

代表選出基準となる日本での居住期間を満たせずに落選した、FWとBKの二刀流選手、ウォーレン・ボスアヤコら、海外出身選手の台頭も必須。23年大会からは、選出基準期間が3年から5年に延長となった。経験と実績を積んだ19年戦士と「ONE TEAM」になれれば、再び躍進を遂げる可能性は十分にある。