【トゥールーズ(フランス)4日=松本航】

ラグビーW杯フランス大会に臨んでいる日本代表(世界ランク12位)WTB松島幸太朗(30=東京サントリーサンゴリアス)が、チームを引き締める。

勝利で2大会連続8強となる8日アルゼンチン(同9位)戦へ調整。連続先発は日本歴代最多の12と近年のW杯を最も知り、先月28日のサモア戦勝利後には「ぬるい」と評した。5日には決戦の地ナントへ移動。エースがプレーと言葉でけん引する。

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半袖で過ごせる穏やかなトゥールーズの昼下がり、練習場に長渕剛の「とんぼ」が流れた。慣れ親しんだ日本語の歌詞を耳にし、松島は公開された15分間の練習で笑顔を見せながら全身を動かした。運命のアルゼンチン戦へ胸を躍らせた。

「みんな勝つことしか考えていない。不安よりワクワクする。早く試合をしたい」

前戦のサモア戦でボールを前に運んだ距離はFBレメキに次ぐ、チーム2位の111メートル。攻撃はもちろん、防御ライン裏のスペースを埋める動きで、勝利に貢献してきた。

クールな30歳は、近年のW杯を最も知る。

歴史的勝利でラグビー人気に火を付けた15年南アフリカ戦。当時22歳で先発し、そこから1試合も欠かさずフル出場を続けてきた。数的優位に持ち込みながら、最終盤に6点差に迫られたサモア戦後も「自分たちのぬるい部分が時々出た」と反省した。現在はライン防御時のオフサイドの多さを課題とし「僕たちが外から細かく(内の選手に)伝えていく。簡単なペナルティーをしない」と練習から徹底する。

8年で立場は変わった。

20年から2季を過ごしたフランス1部クレルモン。チームは世代交代を進め、20歳前後の後輩とのプレーも増えた。

「判断ミスに対して強く言うようになった。言わないと、その選手も気づかない。直接言ったり、プレーで見せる」

昨春、現地でグラウンドを眺めながらポツリと言った。円陣で声を張る性格ではないが、常に冷静な目を持ち、時に臆せずに思いを伝える。

情熱あふれる南米の雄との決戦。W杯13戦目へ「目の前の試合を勝たないと次にいけない。120%出し切る」と言い切った。エースは静かに闘志を燃やす。

◆日本代表のW杯連続先発試合

〈1〉12試合 ★松島幸太朗(15年1戦目南アフリカ戦~23年3戦目サモア戦)

〈2〉11試合 ★稲垣啓太(15年2戦目スコットランド戦~23年3戦目サモア戦)

〈3〉9試合 リーチ・マイケル(11年1戦目フランス戦~19年1戦目ロシア戦)

★は継続中