大相撲の元関脇でロシア出身の幕内阿覧(29=春日野)が8日、日本相撲協会に引退届を提出した。秋場所限りで閉鎖した三保ケ関部屋から3日付で移籍した直後で、東京・両国国技館での会見には前師匠の三保ケ関親方(元大関増位山)と新師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)も出席。「体がやせて力も出ない」と体調不良を理由に挙げた。

 最高162キロあった体重も、現在は130キロ台。08年末に患った口腔(こうくう)がんを克服するなどしたが「この1年半ちょこちょこやせて、いつやめるか考えていた」。部屋の消滅もあって決断したようだ。

 外国出身力士では史上最速タイの所要11場所で新入幕を果たすも、気力が続かなかった。家族は既に帰郷しており「国(ロシア)でいろいろ考えている」と、今後はホテル事業などに携わる。断髪式は未定。